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日別アーカイブ: 2018年11月23日

キログラムの定義が130年ぶりに変更

『キログラム原器』というのをどこかで耳にしたことがありますか?
1㎏の重さの基準になるものです。

 

現在は、「国際キログラム原器」という分銅が1㌔(どうやってはかったのでしょうか?)の基準とされ、世界のはかりはこの原器をもとに調整されます。そのため、原器の複製が世界中に配られて各国の基準になっています。

 

そのトップの座にあった国際キログラム原器は今回の改正で役目を終えることになります。

 

なぜでしょうか?

 

原器は、変質しにくい白金とイリジウムの合金を使い1889年に作られ、パリ郊外の国際度量衡局の金庫に保管されています。

 

汚れや摩擦で重さが変わらないよう慎重に扱われ、10万年は使えるとしてきました。

 

ところが、原器の重さは最初の100年で50マイクログラム(マイクロは100万分の一)も変化してしまいました(どうやって量ったのでしょう)。
指紋1個の重さだということです。

 

念のために同じ重さに作られた6個の副原器も調べたところ軽くなったものも重くなったものもあったそうです。

 

すぐには影響はないのですが、ナノテクノロジーに支障が出ると懸念され始めました。そこで人工物ではなく、不変な原子の重さを基準に1キロを決めることになりました。

 

原子を何個集めれば1キロになるかをシリコン球で調べ、原子の重さを表すために使うプランク定数で置き換える方法をとりました。

 

新技術は、2019年の5月20日の世界計量記念日から実施されますが、プランク定数から重さを求める技術を持つのは、日本・ドイツ・米国・フランス・カナダの5か国だけだということです。

 

日常生活には影響はありませんが、日本橋の計量機貴店の社長さんは、「50マイクログラムの誤差は大きい」といい、精密なはかりが製薬企業などに売れているとのことです。