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カテゴリー別アーカイブ: 文科省・教育委員会関連

女性の研究者は増えているか?

女子校の説明会に行くと“理系の進学者が増えた”との説明を受けることがありますし、明確に理系進学者の割合が高いことを強調している学校もあります。

 

女性の理系進学者が増えていることは確かでしょうが、進学した後はどうなっているのでしょうか?

 

総務省が女性の研究者いついてまとめた結果があります。

2016年3月末時点で国内の企業や大学で働く女性の研究者の人数は、
13万8420人(前年から2,214人増)
研究者全体に占める割合は、
15.3%
です。

 

人数、割合とも過去最高で、企業では自然科学系の伸びが目立つとあります。

 

所属別にみますと、
大学:8万4622人(所属別の割合 26.3%)
企業:4万6282人(所属別の割合8.6%)
です。

 

大学の女性研究者を専門分野で見ると、
保健:3万5557人
人文・社会科学:1万8722人
です。

 

企業では、
機械や土木の工学:1万8722人
数学、物理の理学:1万6992人
で、理学の女性割合は前年比1.3ポイント増の13.3%で伸びが目立ったとあります。

 

女性の研究者の割合が30%を超えているロシア、英国に比べると、水準はまだまだ低いです。

振替の授業とスケジュール

今日は午前中に振替授業を行い、午後からは冬休みのスケジュール組みです。

 

私立の試験が終わって来週成績がでます。成績がでてから冬休みに入るのですが3学期制の学校では早々と宿題が大量にでています。

 

冬休みのスケジュールを組むのですが、公立の運動部生はほとんど時間がありません。学校は生徒たちにいつ勉強しなさいというのでしょうか。

 

それを裏づけるデーターがスポーツ庁が行った調査の結果からみることができます。

 

1週間の運動部活動の時間(分)

男子 平日 土日 合計
国立 421 240  661
公立 579 373  952
私立 384 230  614

女子 平日 土日 合計
国立 399 201  600
公立 583 384  967
私立 375 224  599

公立中・運動部は週に平均16時間活動、土日が4割占めます。土日は大会とか練習試合等で遠出することも多くあります。往復の時間は含まれているのでしょうか。

 

今回のスポーツ庁の調査は全国体力・運動の能力調査(小学校5年と中学2年を対象)と共に実施したもので、部活動の実態を調べる初めての全国調査で、スポーツ庁は来年度に中学と高校を対象に詳しい調査を実施し、部活動のガイドラインを作成するそうです。
どのようなガイドラインがでてくるのでしょうか。

 

因みに、休養日の設定状況の調査結果もあります。
学校の決まりとして休養日を設けているかとの質問の答えです。

公立中学
平日 : 週1日 56% 週2日 14% 週3日 2% 設けていない 22%
土日 : 設けていない 42%(最も多い)

 

 

 

 

平成28年度公立中学校等卒業予定者の進路希望の状況について

県から現在の公立中学3年生の進路希望の状況の発表がありました。

2016年10月20日現在の公立高校の進路希望状況です。

 

近隣の学校の状況です。

学校名   希望者数(人) 募集定員(人)
大和      534    278
大和西     300    278
大和南     263    348
大和東     241    238
厚木      530    358
厚木東     351    278
海老名    1,002    398
湘南台     435    278
上鶴間     272    318
横浜翠嵐    786    358
湘南      681    358

 

先日ありました模試業者の説明会でも海老名高校の人気が高いとの話がありましたが、2.5倍を超えていますね。
卒業生に聞いてもよくわかりません。思わず図書館とかららぽーとなどの環境も影響しているなのかと考えてしまいます。

詳細はこちらです。

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6559

「新たな学力向上進学重点校」とは何だ!

本日行われた神奈川県立高校改革における“「新たな学力向上進学重点校」とは何だ!”の説明会に行ってきました。

 

28年度にエントリーした学校を2か年にわたってエントリー校として17校を指定。その成果を指標に基づいて検証し、30年度に新たな学力向上進学重点校を10校ほど指定します。
3年ごとに指定しなおすそうです。

 

県の教育委員会の専任主幹から説明があった5つの指標です。
① 「アクティブ・ラーニング」のある教科指導等の展開、高いレベルの思考力・判断力・表現力の能力育成
② 県教育委員会が本年度から実施する生徒学力調査(2学年 国語・数学・外国語)の結果
③ 高い英語力 英語検定2級程度以上のレベルが7割以上
④ 学校の教育活動全体を通じて、豊かな人間性や社会性を育む、幅広い生徒の探究活動や部活
⑤ 難関大学への高い現役進学率

 

次にエントリー校からの取組みについて代表校から説明がありました。
① アクティブ・ラーニングについて-光陵高校校長
② グローバル教育について-平沼高校校長
③ 進学指導について-横浜翠嵐高校校長

 

最後に厚木高校の生徒によって模擬「即興型英語ディベート」がありました。
進行に関して日本語での説明はあったのですが、賛成・反対意見の陳述は全て英語でした(当然ですが)。

 

17のエントリー校は神奈川県の各地区のトップ校です。私立に優秀な人材が流れないように私立に負けない取り組みを県立高校も行っていくという熱意は十分に伝わってきました。

 

エントリー校同士の共同の取り組みもあるそうですが、各高校での取り組みは高校の説明会に参加しないと解りません。トップ校の受験を考えていらっしゃる1・2年生の保護者の方は説明会に参加されて各高校の取り組みを比較する必要がありそうです。

 

 

 

 

教科書を読めない!

リーディングスキルテスト(RST)とは人が初めて読む文章や図表の意味をどれだけ早く、正確に理解できるかを科学的に判断するテストです。

東大入試に挑戦する人工知能開発プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」(俗称 東ロボ君)の代表を務める国立情報学研究所の新井紀子教授が、人間が文章を読む過程を分析するために昨年度実施した中高生対象のテストです。

≪例題1≫  オーストリア、次いでチェコスロバキア西部を併合し たドイツは、それまで対立していたソ連と独ソ不可侵 条約を結んだうえで、1939年9月、ポーランドに侵攻 した。
ポーランドに侵攻したのは、(   )である。 【東京書籍 中学校教科書 新しい歴史】
A オーストリア  B チェコスロバキア  C ドイツ  D ソ連

≪例題2≫アミラーゼという酵素はグルコースがつながってでき たデンプンを分解するが、同じグルコースからできて いても、形が違うセルロースは分解できない。
セルロースは(  )と形が違う。 【東京書籍 高校生物基礎教科書 新編・生物基礎】
A デンプン B アミラーゼ C グルコース D 酵素

正解 例題1 Cドイツ    正答率 中学生:83% 高校生:98%
正解 例題2 A デンプン 正答率 中学生:14% 高校生:33%

問題として読んでこの正答率ですから、教科書の中の文章として読むと誤読はさらにふえると思います。

AI(人工知能)は前後の文脈を踏まえて言葉を穴埋めするのが苦手で、人間がAIと違うのは高度な読解力があること。読解力は、AIやロボットと将来仕事を分け合う可能性のある子供たちにとって、何より大切だ。 とあります。

文章を正式に読み解く力はAIと仕事を分けるという以前に生きていくために最も必要な能力だと思います。

英語教育、プログラミング教育よりも先にやるべきことだと思うのですが。

国立大附属校の役割

国立大附属校と聞くと筑波大学駒場高校をはじめとする超難関校のイメージがありますが、文科省は有識者会議を設けて国立大学付属校の改革方策についての検討を始めたようです。

 

課題として、「先進的・先導的な教育課題への取り組みが求められるのに、エリート校・進学校化しており、存在意義が見えないとの指摘がある」などを示しています。

 

有識者会議では「特定の層しか入れない学校ではなく、共働き家庭の子どもが入れるように議論しなければいけない」などの意見がでました。

 

特定の層しか入れない-とは高偏差値の層ということでしょうか。共働き家庭の子どもが入れるように-とは学費が高いということでしょうか。

 

国立大学が法人化されたので文科省も一方的に指導できないとすれば、文科省が有識者会議を開いて報告書をまとめたとしてもそれに沿って各国立大学が改革に乗り出すとは期待できませんね。

でも、附属校には先進的・先導的な教育課題への取り組みを積極的に行ってほしいですね。

今ですとアクティブ・ラーニングの授業に取り組んでその成果を発表してもらいたいものです。

 

一方、国立大学付属校のPTAで構成する全国国立大学付属学校PTA連合会の全国大会では、文科省の教員養成企画室長が「近隣の公立校で活用できるモデルを示す」などを挙げ、業務量の増大に対応するため「(業務量を)削るモデルをつくることも役割」などど語った。とあります。

 

教員の業務の増大の原因は文科省にあり、というのが明白なのに、その文科省が“業務量を削るモデルをつくることも役割”と言っているのは“本気ですか”と言いたくなりますね。

 

大和市の小学6年生・中学3年生の学力

今年の4月21日に大和市の小学6年生(1,850人)、中学3年生(1,722人)を対象に実施された全国学力・学習状況調査の結果です。

<教科に関する調査 平均正答率%>

小学校  国語A   国語B    算数A   算数B
大和市  65.6  61.1   71.4 42.4
神奈川県 70.3 58.2    76.6 47.3
全国(公立)72.9 57.8    77.6 47.2
全国     73.0 58.0      77.8 47.4
(国公私立)

中学校  国語A   国語B    数学A   数学B
大和市  75.1  66.2   64.3 40.1
神奈川県 75.4 67.0    61.9 44.3
全国(公立) 75.6 66.5    62.2 44.1
全国     76.0 67.1    62.8 44.8
(国公私立)

神奈川県の平均と全国平均はほとんど差がないですね。
全国も国立・私立を加えると平均点があがるのはさすがというか当然というべきでしょうか。
それと比較すると大和市は小学・中学共に少し平均点が下がります。
ただ中学の数学では、数学Aは全国平均より上ですが、数学Bは下回っています。
基礎はできても活用は苦手というところでしょうか。

「新たな学力向上進学重点校」の説明会について

○平成30年度からの「新たな学力向上進学重点校」について
○「新たな学力向上進学重点校」を目ざす、エントリー校の取組みについて

上記内容で神奈川県教育委員会主催の説明会が以下の通り開催されます。
○平成28年10月19日(土曜) 横浜市西公会堂
○平成28年11月6日(日曜)  藤沢市民会館大ホール

詳細はこちらから。

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f535366/

入場無料ですが、施設の収容人数の関係から、事前にWeb上での申込みが必要です。
申し込みはこちらをクリックしてください。先着順です。
こちら [PDFファイル/94KB]

次期学習指導要領改定案④ 高校

2022年度から実施される高校では各教科の大幅な見直しが行われました。

 

 ▼国語:現行では読み取りが中心になっているとして、「話す・聞く・書く」の強化を目指し、科目構成を見直しました。
必修科目:現行の1科目から2科目に増える
「現代の国語」:実生活・実社会での能力を育成する
「言語文化」:日本の言語文化への理解を深める

 

地理歴史:現行の世界史+日本史又は地理のどちらかを必修から「歴史総合」と「地理総合」を新設しいずれも必修とします。
「歴史総合」:日本と世界の近現代史を中心に学ぶ
「地理総合」:世界の生活や文化、防災対策を学ぶ

 

公民:「公民」を新設し必修とします。
「公民」:政治参加などの主権者教育や社会保障を学ぶ

 

数学:教科「情報」と関連付けて課題解決力を育成し、「数学C」が復活します。
「数学C」:現行の「数学Ⅲ」で学んでいる複素数平面のほかデータの活用などの内容で構成

 

理科:科目新設はありません。

 

外国語(英語):発信力が課題として、科目が再編されます。指導する単語数が1,800語程度から1,800~2,500語程度に増やします。
・「コミュニケーション英語基礎・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」⇒「英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」に再編しⅠが必修です。
・「論理・表現ⅠⅡⅢ」を新設し、選択科目で発信力を強化する

 

情報:現行の「社会と情報」「情報の科学」から新設の「情報ⅠⅡ」とする。
・「情報Ⅰ」:必修、情報モラルやデータの活用、プログラミングを学ぶ
・「情報Ⅱ」:選択、情報システムやビックデータなど、発展的内容を学ぶ

 

理数:国語や数学などと同じ共通教科に位置付けられますが必修ではありません。
・「理数探究基礎」:数学や理科の枠を超え、探究の手法や探究倫理の基本を学ぶ
・「理数探究」:基礎を踏まえた

 

総合的な探究の時間:問いを自ら見いだして探究する力の育成を重視し、名称を「総合的な学習の時間」から変更します。
課題設定や情報分析の方法などを学ぶ全国共通の教材を作成します。

 

探究の手法や探究倫理の基本や情報モラルやデータの活用を学ぶなど魅力的な教科が並びます。

次期学習指導要領改定案③ 中学校

2021年度から実施の中学では新教科や標準授業時数の増減といった大きな変更はなく、部活動の見直しに言及しています。

 

▼外国語(英語):授業は英語で行うことが基本で、単語数を現行の1,200語程度から1,600~1,800語に増やします。3年生を対象に2019年から3年に一回程度、全国学力テストの中で実施する方針の新テストで指導改善を進めます。

 

▼部活動

・少子化が進む中、学校単独の運営体制から一定規模の地域単位での運営を支える。
・科学的知見を踏まえて指導することが重要だとして、指導者を教育する必要性があると指摘。
・休養日や活動時間を適切に設定するよう求める。
・「生徒の自主的・自発的な参加によっておこなわれる」といった位置づけは維持。