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カテゴリー別アーカイブ: 文科省・教育委員会関連

次期学習指導要領改定案② 小学校

小学校で次期学習指導要領が実施される2020年から、3年~6年の授業時間数は年間35コマ(45分/1コマ)増えます。これは英語の授業が1週間に1コマ純増するためです。

各教科の改正案は下記のとおりです。
▼国語:「埼」「茨」など都道府県の字、全て学習するため20字追加し6年間で計1,026字を学びます。

 

▼社会:グローバル化対応のため地図帳の配布を4年生から3年生に前倒しになります。

 

▼算数:データの分析し課題を解決したり、意志決定する力を育成するため中学校・高校と共に統計的な内容を改善します。

 

▼理科:「理科嫌い」の傾向が顕著なため、中学校とともに、観察や実験中心の探究活動を通じて、課題を解決したり新たに課題を発見すしたりする経験を可能な限り増やします。

 

▼外国語(英語):「聞く・話す」が中心の外国語活動を3年生から前倒して行い、5年生からは教科化し「読む・書く」にも慣れ親しまし、コミュニケーション能力の基礎を養います。指導する単語数は600~700程度。

 

▼プログラミング教育:自分の意図を実現させるための筋道を論理的に考える「プログラミング的思考」を、数学や理科などの教科の授業で取り組みます。総合的な学習の時間でプログラミングを体験します。

 

小学生が理科嫌いになる理由はなんでしょか。観察や実験はいいと思いますが、まずは理科好きの教師が教えることが第一だと思います。

 

英語にしてもプログラミングの技術にしても生きていくために身につけていれば便利な道具ではありますが、絶対ではありません。勿論通訳や翻訳、プログラマーには必要ですが。

それよりも全員に必要な“沢山の情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き活用する能力”であるメディア・リテラシーを取り入れるべきだと思うのですが、動きは鈍いようです。」

次期学習指導要領改訂案について①

2020年から順次始まる新学習指導要領の概要を示した中央教育審議会の「審議のまとめ案」が先日公表されました。

 

学習指導要領は、文部科学省が告示する教育課程の基準で、国立学校・公立学校・私立学校を問わず適用されますが、実際の状況では公立学校に対する影響力が強い一方、私立学校に対する影響力はそれほど強くありません。

 

「何を学ぶか」が中心だったこれまでの指導要領の性格を大きく変え、「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」の視点を追加し『学びの地図』を目指すとあります。

 

「どのように」という学びのプロセスで鍵を握るのが、教員が一方的に教えるのではなく、児童生徒が主体的・能動的に授業に参加する「アクティブ・ラーニング」(AL)で、全教科で導入します。

 

ALはすでに公立・私立問わずすでに授業に取り入れてられて行われています。ALは特定の指導方法を指すのではないので、どのような方法が効果的なのか試行錯誤で行われているのが実情でしょうか。

 

文科省は教員が理解を深められるように研修を開いたり、実践例を集めて事例集として提供する考えです。

小学校・中学校・高校での変更点は次回に続きます。

義務教育学校

新たな学校種として創設された「義務教育学校」が今年4月に15の市区町で22校開校しました。
神奈川県では横浜市立霧が丘義務教育学校の1校のみです。

今年2月の調査では、来年度以降の開校予定を含めると58の市区町村が設置するとの回答でした。

「義務教育学校」とは小中一貫教育を実施する学校で市区町村教育委員会などの判断で、既存の小中学校などを「義務教育学校」にかえることができます。学校施設を一体的に整備する必要はなく、複数の敷地に分かれていても構わないそうです。

何ができるのか?
・中学校段階の指導内容を小学校段階に前倒しでできる。
・小中学校間の学習内容の入れ換えが可。
・各教科の授業時間数を減らし、独自の教科に充てることも可能。
・中学校段階で高校入試対策の時間を生み出すことも可能。
・公立校はもちろん、私立校にも適用できる。
・標準的学級規模は1学年2~3学級。

懸念されること
・学校統廃合のために安易に利用される。

前倒しの授業など行わないでじっくりと底上げをする教育に取り組んでもらいたいものです。競って前倒しの授業を行うのだけは避けてもらいたいです。
確かに中1ギャップは解消されると思いますが、2~3クラスで9年間過ごすというのはどうなのでしょうか。
今までの小中一貫校も残るというのですから、違いがよくわかりません。

 

 

中高生の英語力

文部科学省が4日公立の小中高校での英語教育の状況について調査した結果を発表しました。

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1358566.htm

◎生徒の状況

○高校3年生⇒で英検準2級以上取得者+準2級相当の英語力を有すると思われる生徒の割合
年度  平成23年  平成24年  平成25年  平成26年
割合  29.3%   30.4%   31.0%   31.9%
*政府は第2期教育振興基本計画(平成29年度まで)で準2級程度以上達成目標を50%としていますが、このペースでは厳しいでしょうか。

○中学3年生⇒英検3級以上取得者+3級相当の英語力を有すると思われる生徒の割合
年度  平成24年  平成25年  平成26年
割合  31.2%   32.2%   34.7%
*平成29年どまでの英検3級相当取得者の目標は50%です。

◎教師の状況

○高等学校教員⇒英検準1級相当以上取得者の割合
年度  平成23年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
割合  48.9%  52.8%  52.3%  52.7%  55.4%
*平成29年までの目標は75%です。
英語担当教員の英語使用状況ですが、「発話をおおむね英語で行っている」+「発話の半分以上を英語で行っている」を合わせた割合は英語の科目にもよるのですが、33%~48%というところです。

○中学校教員⇒英検準1級相当以上取得者の割合
年度  平成20年・・・・・・・・・・・・・ 平成24年 平成25年 平成26年
割合   24.2%          27.7%   27.9%    28.8%
*平成29年までの目標は50%です。こうして比較すると中学校と高校の英語の先生の差はあるのですね。

 

 

公立高校学力検査結果

神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果が教育委員会より24日発表になりました。

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f70169/

3年間の5教科の合格者の平均点の推移です。

年度    英語  国語     数学   理科    社会      合計
26年 59.6  60.8  51.7  38.6  49.5  260.2
27年 51.8  64.4  52.6  37.4  50.2  256.4
28年 43.0  64.7  51.7  46.5  52.0  257.9

今年度は英語が難しくなって理科が易しくなったと読み取れます。
それにしても英語が年々難しくなっているのが目につきます。なにか意図があるのでしょうか。
それと合計点がほぼ変わらないのは偶然でしょうか。

神奈川県と大和市の学力

平成27年4月21日に実施されて全国学力・学習調査の神奈川県の調査結果が発表になっています。

神奈川県では1,270校、約14万人の小学6年生と中学3年生が参加しました。
大和市では小学6年生1,850人、中学3年生1,722人が参加しました。

下記のデータは全国・神奈川県、大和市ともすべて公立校(中等教育学校2校含む)のもので、
各教科の平均正答率を示しています。

小学6年   国語A 国語B  算数A 算数B   理科
全国   70.0% 65.4% 75.2% 45.0%    60.9%
神奈川県 67.9% 64.3% 74.0% 44.8%    60.5%
大和市  65.6% 61.1%  71.4%  42.4% 58.2%

中学3年   国語A 国語B  数学A 数学B   理科
全国   75.8% 65.8% 64.4% 41.6%    56.3%
神奈川県 76.0% 66.5% 65.0% 43.3%   55.8%
大和市  75.1% 66.2%  64.3% 40.1% 51.7%

小学6年生では神奈川県も大和市も全国平均を下回っていますが、
中学3年生では県は理科を除いて全国平均を上回っています。
大和市でも中学3年生は理科を除いてほぼ全国レベルです。

小6生と中3生が同じ生徒ではないのではっきりとは言えませんが、神奈川県や大和市では例年2割弱の生徒が中学受験で抜けます。大和市の中3生が小6生より1,300人程少ないのはそのためと思われます。

神奈川県も大和市も小6では全国平均を下回っていて、更に中学受験で上位層が2割弱抜けたにも関わらず中3で全国平均レベル(大和市)、それ以上(神奈川県)の成績を示すというのは中学校の優秀性および塾の力ということでしょうか。

 

 

県教委Ⅰ期計画案  (その1)

14日に県教育委員会より県立高校改革実施計画(Ⅰ期)の案が発表になりました。
県の改革は2016年度から12年間を3期に分けて実施予定です。

2016~2019 弟Ⅰ期    5校(削減予定数)
2020~2023 第Ⅱ期    5校
2024~2028 第Ⅲ期   10校以上

「県立高校改革基本計画」で示された重点目標が7項目あってそれが下記の3つの目標に分類されています。
Ⅰ 質の高い教育の充実
Ⅱ 学校経営力の向上
Ⅲ 再編・統合等の取組み

各取組みについて指定されている高校です。

Ⅰ.質の高い教育の充実

重点目標1 すべての生徒に自立する力・社会を生き抜く力を育成

(1) 教育課程の改善
教育課程研究開発校の指定・・・Ⅰ期では次の2つの研究テーマに取り組む
① 「新教科『公共』に係る研究」
指定校:湘南台、上溝、伊志田、瀬谷西、新郷、新城
② 「新たな学習評価に係る研究」
指定校:海老名、鶴見、光陵、茅ヶ崎北陵、大磯

(2) 授業力向上推進重点校の指定
授業力向上推進重点校の指定
指定校:伊勢原、麻溝台、七里ガ浜、藤沢清流、松陽、港北
ICT利用活用授業研究推進校の指定
指定校:上鶴間、城山、横須賀大津、秦野、横須賀大津、生田、横浜旭陵

(3)プログラミング教育研究推進校の指定
指定校:相模原総合、西湘、茅ヶ崎西浜、住吉、横浜緑ヶ丘

(4) 生徒英語力向上の推進  ⇒ 全校

(5) 歴史・伝統文化教育の推進
○ 逆さま歴史教育にかかる研究校の指定
指定校:大和南、秦野曽屋、津久井浜、舞岡、神奈川工業

(6) 学習機会拡大の推進
県立高校学習活動コンソーシアムモデル地域の指定
指定地域(予定):横浜北東・川崎地区、県央・相模原地区
*コンソーシアムとは、お互いに力を合わせて目的に達しようとする組織や集団。具体的には大学や企業でしょうか

(7) 学習意欲向上と確かな学力の育成
〇 確かな学力育成推進校の指定
指定校:菅、永谷、寒川、平塚湘風邪、津久井

重点目標2 生徒の個性や優れた能力を伸ばす教育

(1) 教育課程の改善
学力向上進学重点校の指定・・・28年にエントリーした学校を2年にわたって指定。その成果を指標に基づいて検証し、30年度に重点校として指定
エントリー校(予定):横浜翠嵐、 川和、 多摩、柏陽、光陵、横浜平沼、希望ヶ丘、横浜緑ヶ丘、横須賀、鎌倉、湘南、茅ヶ崎北陵、平塚江南、小田原、厚木、大和、
*エントリー校には特色検査が義務づけられているので、来年度の入試から川和、大和も特色検査が実施されることになります。

(2) 科学技術。理数教育の推進
指定校(予定):多摩、希望ヶ丘、横須賀、平塚江南、相模原

(3) グローバル化に対応した先進的な教育の推進
〇 グローバル化教育推進校の指定
指定校:神奈川総合、横浜平沼、横須賀明光、鎌倉、小田原、大和西
  国際バカロレア認定推進校の指定・・・31年度から実施予定
指定校(予定):横浜国際
○ 外国につながりのある生徒への教育機会と学習支援
日本語を母語としない生徒への学習支援、進路支援の実施。在県外国人等の入学者選抜募集の拡大
海外帰国生徒特別募集校:神奈川総合、新庄、横浜国際、鶴嶺、西湘、伊志田、弥栄
在県外国人特別募集校:川崎、大師、横浜清陵総合、伊勢原、座間総合、大和南、愛川、   相模原青陵、橋本、相模向陽館

(4) 国の研究開発にかかる指定事業の積極的な活用
○ スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校:西湘、厚木
○ スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校:横浜国際、

重点目標3 共生社会づくりに向けたインクルーシブ教育の推進

(1) 教育相談体制の充実
○ 教育相談コーディネーター養成の拡充
○ ソーシャルワークの視点をもった教員の育成

(2) インクルーシブ教育の推進
○ インクルーシブ教育に関する学校支援の充実・・・障がいのある生徒の障がいや行動の特性を把握するために諸検査を実施し、その結果や教育課題等を含めて総合的な評価を通して支援する
○ インクルーシブ教育実践推進校の指定・・・29年度1期生入学
指定校(パイロット校)(予定):茅ヶ崎、足柄、大和西

以上が教育の充実に対する今後の県の取り組みです。
学力向上進学重点校の指定が30年度から新たに指定・実施されますが、10校(現エントリー校は17校)程度に絞られるとすればこの2年間の成果で判断されるので注目です。
この項続きます。

 

 

 

 

 

小学校の教科書が変わります

この新学期から小学校の教科書が変わります。
2011年に脱ゆとり教育ということで教科書の大改訂があり、今年度(H27年)が改訂の初年度になります。次の大改訂は32年(2020年)に予定されています。

大和市で選定された教科書(6年生)のページ数の比較です。

・・・・・・・H14年(ゆとり) H23年(脱ゆとり)  H27年  27/23  27/14
国語(光村)  292       272         284   104%   97%
算数(東書)   184       228          260   114   141
理科(啓林)   108       172          260   151   241
社会(教出)   168       218          236   108   141
* 上下分冊は合計のページ数です。
* 理科は分冊を含んだページ数です。

23年からは微増ですが、理科は分冊含むとはいえ1.5倍に増えています。
他社は啓林ほどではないですが、110~120%で増加しています。
14年との比較では各社200%弱増えています。
理系重視が読みとれます。